第5回市民国連報告

創立1周記念 「文明と平和」 〜日本文明を考える諸団体の連携を目指して

とき:平成18年11月3日(水・祝) 午後1時半〜6時半
ところ:目白大学1号館2階

1、report(当日の感想をお寄せください。編集更新します。)



2、写真集

第一部 全体フォーラム:午後1時半〜3時40分(定員240名)

  開会来賓挨拶
            
竹田恒泰氏 作家・世界自然共生基金理事長 ,
           江見康一氏 一橋大学名誉教授

竹田恒泰氏
竹田恒泰氏 作家・世界自然共生基金理事長
基調講演「日本文明の可能性」 山折哲雄氏 前,国際日本文化研究所 所長
 講 演    中西真彦氏
「日本文明が世界を救う」 中西真彦氏   市民国連 理事長
第三部 交流会とエンターテインメント
  モ ト & 小笠原 みわ                              伝 統 楽 器    演 奏 
木 俣 直 哉  ・ ギ タ ー 演 奏  


   



 
 
 「日本文明が世界を救う」中西真彦氏 早稲田大学理工総合センター 顧問

第二部 分科会 午後4時〜6時半  (敬称略)            

  
T,「地球社会をデザインする」上村雄彦 千葉大学大学院公共研究センター主任研究員 
     


  
U,「小子化問題を考える」      

「少子化問題を考える」 パネルディスカッション  市民国連分科会 ’06.11.3

 講師 江見康一(一橋大名誉教授) 蓮井昌雄(NPO全日本健康倶楽部会長)

 水谷鏡子(華のハーモニー主宰) 太田栄之(ツヴァイ創設者) 司会渡部和子

 江見 原因は子育てコスト、両立環境、保育所の未整備、地域環境など。「今日は赤ちゃ
    ん」などの流行歌が絶えて久しい。家族力が低下し、先祖よりの命という生命感も
    乏しくなった。

 蓮井 お金や環境などを安易に少子化の要因とすることが多いが、自分はその考えに
    組しない。そもそも子育ては楽しいものだ。自分は8人の子供を生し、16人の孫を
     得た。相場の失敗で億の借金を背負ったこともあったが、子供には学費貸付などの
   形で経済的に乗り切った。子育ては楽しいものと思えば出来るものだ。

   少子化はまだ市民一般の関心が薄いことが問題だ。

 水谷 女性の給与アップ、雇用均等法(85)など女性サイドの変化に対して、男性
    の意識が変化していないことが少子化の原因と思う。仕事と子育ての両立のために
    地域にはあまり期待できないので企業がやるべきことは多い。祖母力には頼れない。

   自分の経験から、もし自分に子供がいたら、今の、人を使う経営の仕事は出来なかっ
   たであろう。少子化問題に経営が与える影響は極めて大きいと考える。

 太田 少子化問題はその最大公約数的原因をしっかり押さえ、出生率1.25のままで
     いってしまったらどのような社会になるのか、果たして対処療法は有るのか無い
    のか、何故政府のこれまでの政策で効果が出なかったかを追求すべきと考える。

 小生は厚労省など公的データとフィールドワークで外国人を含めた子育て中の働くお母さん方
及び民間企業の経営者との面談を積み重ねた結果、少子化と裏腹の未婚化・晩婚化の一番大きな要因は
@女性にとって、働くことと結婚・子育を同時に二つこなすことは相当シンドイ。
いずれ結婚したいが、とりあえず結婚は後回し。次にA出生率の高いスウェーデンやアメリカのお母さん
方は日本のそれと比べ家族観、社会観が相当異なり、子育ては楽しいもの、家族は社会生活の軸としてと
ても大切なもの、仕事と家庭の両立は自らが作っていくもの、との観念が強い。
すなわち心・精神面に起因するもの。最後にB経済成長の影響 という少子化の要因の仮説を立てた。

 そこで、そもそも我々の日常生活が時間的(通勤、勤務時間) 経済的(給料) 出世という点において、
謂わば人生の七割を会社・経営に握られているという現実を直視したうえで、社長など経営者に「おめで
とう運動」を提唱したい。 すなわち社員の結婚、出産に対し人事部長でなく社長自ら、次世代育成を経
営理念として、心から皆の前で「おめでとう」と祝福するのだ。

 これこそが仕事と子育ての両立支援環境、男性の家庭参加という企業風土の変革を促す起爆剤となる
と考える。行政はこれら次世代育成先進企業に税制優遇措置などで企業のサポート役としてドライブを
かけるべきだ。全国百万の社長さんが理念としてこれを始めたら少子化という大きな山は動き始めるの
ではないか。両立環境が整い女性管理職比率が高い企業ほど業績が良いというデータもでつつある。

 以上が対策の第一。第二は心・精神の問題。家族愛、新しい命への畏れ、自らの足で立つ精神の涵養
など戦後失ったものを取り戻すこと。今進められている教育基本法の改定、あるいは憲法改定の問題に
関ることであり、当市民国連の「日本文明の再定義」にも関連することである。
510年を要するであ
ろうが我々の根幹の問題と考える。 第三は人口減少社会を迎える日本は一人当たり労働生産性を高め
ることが必須である。 以上が少子化の原因と対処法の私の仮説である。

 会場から NPO理事長山本氏  日本の2600年の歴史的観点から、人口減少はやむを
       得ない。そもそも日本は人口密度が高すぎる。

 太田 7千万人、8千万人などという数の問題ではない。結婚したくても出来ない現実
    が問題。 なにより安心して子供を生み育てられる社会が実現しなければならない。
    その結果が
8千万なら国民の選択であるから、それでよい。ただ1.25のように
     急速に出生率が低下すると、人口が逆ピラミッドで現行年金制度など社会福祉が明
    らかに維持出来ない。従って出生率の回復は喫緊である。

 会場から 川崎市子供支援担当部長 佐々木氏  国は全然本気ではない。企業だけで
        はない。 国が本気を出さねばならない。国全体の社会福祉支出約80兆円の
      うち子育て関連はたったの1.5兆円だ。高齢者福祉は世界一であるが子供
      へのそれは先進国
中最低に近い。 

 会場から 20台の若者  家では両親の仲が悪く、自分の居場所がない。
      将来結婚できるだろうか、不安だ。つくづく家族の大切さを思う。

 太田 水谷講師のお話にあったように、会社が持つ社会人への影響力に鑑み、少子化の
    要因の大きな部分が経営にあるとするなら、まずは経営者が経営理念の中に「次世
    代
育成」を取り込み、実践すること。行政は財政・税制などで民間企業をサポートすること。
    これが対処の第一


  次に心の問題。蓮井講師のお話は印象的であったが、自立心、家族愛、命への畏敬のこころ
  などを教育改革などを通して取り戻さなければならない。これが第二

  最後に経済成長。成長あって子育て費用、教育費が出るし、生活の夢も抱ける。

  以上のように本パネルディスカッションは原因と目されるものを仮説として押さえ、
  三つの対処法を提示することで、締めさせてさせていただく。

 パネルディスカッションを終えて

   一般はこの問題へまだ関心は薄いので、次回以降動員に工夫がいる。(蓮井講師)

   会場のほぼ全員が発言。発言者から、「発言することで自分の考え自体を整理

  することが出来た、」など概ね好評であった。 総合司会の渡部和子さんに深謝。  


  V,「教育再生の鍵を考える」子育て,幼少児,芸術教育・・      
     
一色宏(未来創庵・庵主)小池松次(あすか教育研究所)
     廣瀬輝子(生活演出研究所)
浜田實(産経新聞)   
    

  W,「核時代の選択;護憲か,改憲か,憲法無効論か?」

     
松本道弘(国際ディベート学会会長)松原仁(衆議院議員)
     南出喜久治(弁護士)佐宗邦夫・各党代表参加予定 


     


    X , 「北東アジア;共通の未来を探る」

      中野有(中野アソーシエイツ代表)大脇準一郎(未来構想戦略フォーラム代表)
    
小松昭夫
(財)人間自然科学研究所 理事長,王敏(法政大学国際日本学研究センター教授)
    
李鋼哲
(北陸大学教授)           


  
  Y,「生涯現役推進のために;再雇用・生き甲斐・健康」


    東瀧邦次(生涯現役推進協議会代表江島優(社)日本人材紹介事業協会名誉会長)
   廣瀬春孝(日本熟年会議所代表)
,山口宗秋(生涯現役プロモーター