<創生水の水としての形を探る:その特性と評価>
東京福祉大学名誉教授 小川誠一
T.創生水の「水」としての働きについて
透明な容器中に静止している水も湖沼に湛えられている水も逆巻く怒涛の水も等しく水素
結合によって集まった<(H2O)n>という会合体である。水と生命体との相関は語りつくせな
い程の大きさであり生命体そのものも水で組成されている。<(H2O)>は誰もが知っている分
子式であるが実際にその真の姿は杳として把握されていない。
前述の会合体という形は2個以上の分子が結合している形であるが水の場合は液体のときも
氷のような固体のときも同じであるところに水の謎がある。
多くの物質は液体から固体になるときには密度が大きくなり縮むことで体積が小さくなるの
に対して水は氷という固体の形のときに体積が大きくなるのである。専門用語でいえば氷の
密度が0℃=0.9168g/p3であり水になると水温0℃近くでは0.9998g/p3となり、さら
に温度が上がる(3.98℃)と0.999972g/p3となるが、高温になるにつれて密度は低下する。
しかし100℃でも0.9584g/mm3にとどまるのである。
透明な水の形からはその中に隙き間があることなど想像もつかないが水には分子と分子の間
に<空孔>という隙き間があるために水は不思議なstunt actionをみせるのである。 瞬間
湯わかし器があるのは水はなかなか、湯にならず、湯タンポがあるように水は冷めにくい性
質をもっている。これらの水のみせる現象を比熱でいうと水は比熱が大きい物質である。氷
を溶かすには氷1gについて80calも必要であり蒸気にするにも1gあたり536 calも要するの
である。
このような水のもつ様々な現象は水という天然物の性質として未来永劫不変のものである。
しかしこの水のもつ性質を利用して水に学習を施した場合、水はさらにその能力を大きくす
るのである。深井(利春)は、ふとしたきっかけから水とある種の鉱質成分と接触させると
水が別の新しいactionをすることを発見したのである。
水は<H2O>と記すように水素原子2個と酸素原子1個からつくられているが、さらに専門的に
みると水素と酸素のもつ原子の他に重さの違う原子が混合している場合があるので普通の水
を軽水と呼び、重い水を重水といっている。その相違点は酸素と結合する水素原子側にある。
例えば軽水の水素原子に陽子(プロトン)1個があるが中性子(ニューロン)はない。これに
対して重水の水素原子には中性子がある。これは2倍の質量をもつことから同位体(アイソトー
プ)という。
日頃、生活に使う水は全て軽水であるが100%ではなく重水が僅か(0.0139−0.0151%)含ま
れているのである。重水は重い(heavy)のでheavy waterといわれ<D2O>と記し分子量は
20.03、軽水は軽い(light)のでlight waterという。重水は普通の水(軽水)を何回も電気
分解するとできる“煮詰めた”水でもある。
深井(利春)のつくった水は軽水をもとに何種もの鉱質成分と接触させることで水分子間で
相互に引き合う“power”を大きくしたのである。深井(利春)は、その水(創生水)を機能
水として評価させるように多くの傍証的な実験を行った。機能水という用語は理化学辞書に
はないが茨城県つくば市に機能水研究所がつくられたことから新しい水の用語として知られ
るようになった。
機能水にnominateされる条件は特に定まってないが商業ベースの水のいくつかは機能水とし
て評価されているものである。しかし、水に何らかの人為的な“価値”をつけたものを全て
機能水と呼ぶことにもいささか異論はあるが政府が関与した(財)造水促進センター(本来)
の定義では水を人工処理した場合に機能水といっているので創生水は明白に機能水であると
いえる。
前述のように「機能水」の定義がbroadlyであっても水として特性が普通の水よりも科学的に
特異的な性質をもっていることが前提の条件であることから物理化学的に証明されることが
望ましい。
普通よくいわれることに水のクラスターの大小があるが、水のクラスターを小さくすること
は水が天然物であるだけに容易ではない。一般的にもクラスターが小さい水といわれても真
偽の確かめようもない、ので商業ベースの水のいくつかは<水を小クラスター>化したと宣
伝しているが確証はない。ところが、人間の舌のもつ味覚は鋭く、例えばウィスキーの水割
りの水との比重がウィスキー1に対して水が容積として2.5の割合がもっとも普通とされる
(クラスター 新物質・ナノ工学のキーテクノロジー 茅 幸二 他、産業図書 1994)とあ
る。この場合、ウィスキーのアルコール(エタノール)と水のモル比が<1:20=4.7%>で
水のもつクラスター中のエタノールの数が水の数より少し多い濃度がよいという推定である。
しかし、このような例でクラスターの大小を論じることには不満がある。水が光の中で美し
く輝くことは水中で光が水分子同士の“離合集散”の激しさのために散乱することによるも
のであり、クラスターは水分子の数の集まりである。
創生水はクラスターの小さい水であるとされるが測定したわけではなく、創生水のみせる様
々な現象からの推察ができるのである。
深井(利春)が自身の水の研究の経緯から<0/W型>エマルジョン燃料をつくったのも創生
水がもつ“隙き間”である空孔(空孔理論=hole theory,トールトンの規則)が多いためと
推察され、クラスターの小さい水ほど空孔が多いことは周知である。
機能水の定義としての水の小クラスター化は大きな意味をもつのである。
水の中の分子は相互に離合集散を一見、無秩序に操りかえしているが、その状態を調べるの
にX線回析では水の分子間の距離の広がりの分布状態がわかる。一方、赤外線振動スペクトル
では水分子の結合の状態の変化がみられる。それらは水のもつクラスター自体の“動き”と
“形”でもある。創生水について、それらの方法で観察を試みた結果、創生水は水としての
性質を正確に堅持しつつある中で、それらとは別に自由に回転・並進運動(専門用語)して
いる分子が他の水よりも多く存在するために、それらが独自の水素結合をつくっているもの
と推察される。創生水の環境温度との相関で他の普通の水と比較して異なった数値を示した
ことは、一般論として水など液体の温度をきめるのは<並進・回転・振動運動>であり常温
では振動数の少ない分子間振動が主役となっている。これらは全て水のもつクラスターの働
きであるので、その水のクラスターが水としての一つの特性を担っているのである。
創生水の実験で水とアルコールの混合の際、他の水よりもアルコールを“隠匿”した量が多
くあった事実からも推測される。水とアルコールを混合すると、ある特定のアルコール濃度
のときに限って混合した合計量に大きな差が出ることは知られている(英国 ファラデー討論
会 1953)。ここからが水のもつ水素結合とエネルギー振動運動などが関わるエンタルピー理
論が生まれたのである。
アルコール(エタノール)が水に対して8−9%になった場合、モル体積が最小になり濃度
が上がれば逆にモル体積が増加することがわかったのである。
創生水の場合、僅少ではあったが従来の他の水よりも変化が大きかったことは注目すべきで
ある。これらの証明のためにNMR(磁気共鳴法)を試みたところ他の水とは異なった成績が得
られた。
水を機能水化する、という条件の中にラジカルの在否が関わる。ラジカル(radical)は普通、
遊離基ともいわれ、フリー・ラジカルなる言葉も普通に使われるようになった。ラジカルと
は水に、メガヘルツ帯の大きな超音波を当てると発生することが知られており、それによっ
て水が大きな洗滌力をもつことも知られている。水分子が切断されるとHとOHラジカルの活性
が高まることは水のもつ溶存ガスがかかわることから創生水の場合、溶存水素が多いことか
らもその洗滌力が肯定される。例えば創生水ではない普通の水に水素ガスをいくらか(1.3−
2.0ppmほど)溶存させて超音波を当てて洗滌水として使用していることもある。
創生水が機能水として評価される一つは酸化還元電位が低いことである。酸化とは一般に
は物質が劣化することにつながることが多い。専門的にいうと酸化と還元は原則的にペアの
関係であり、酸化と連動して必ず還元がおきることがルールである。それを難しくいうと2
つの物質間に電子の授受がおきたことをいうが生命体のなかでも絶えず<酸化 ― 還元>が
行われている。
生体の場合も含めて酸化還元の現象は<酸化 ― 還元>を媒介する酵素があり、それを酸
化還元酵素というが、その仕組みの中で生体がもし金属ならば“錆びる”ことを促す物質と、
それを防止する物質の2つが平衡を保つ場合は健康でいられるとされる。しかし、“錆びる”
因子を増加させる条件が揃うと生体は病気になるという。そこで酸化還元電位(普通にレドッ
クス電位ともいう)の高・低を水の性質としての評価の対象としている中で創生水は一般の
水道水がかなり高い(+600〜900mm)のに対して創生水は(−260 〜+350 mm)と低い。水
道水は日本では公式の水であるが、この一点のみを捉えれば良い水とはいい難い。しかし、
例えばオゾン水とはオゾンの匂いがする深い森林などでオゾン浴といわれるように清らかな
水でもあるがオゾン水は酸化力はきわめて大きいので殺菌や洗浄にも使われるが飲める水で
あるのに普及度は低い。
水は、まず飲める水であることが一つの原則でもある。水としての特性は大きくても飲めな
ければ水として評価は低く、電離水や超解離水も水の構造学的な研究上では重い位置にある
が飲めない水である。
さて、創生水は飲める水であってさらに酸化還元電位が低いので活性酵素(OH,OH※)を
体内で余分に発生させないことも推定されている。
活性酸素は名前のように活性=reactiveな酸素で反応性が高い酸素でスーパーオキシド(O2 ?)
など仲間も多い。細胞内のミトコンドリアなどの有害な作用もあるものを体内で多く発生さ
せないことが望ましいとされている。
活性酸素の酸化還元電位は極めて大きいので(+)の数値が大きい程、酸化力は大きいのに
対して(−)の数値が大きい程、酸化から引きもどす能力が大きいことになる。金属が錆び
ると物理的に脆くなりやがて朽ちてしまう現象を人間におきかえると活性酵素を多く発生さ
せると疾病への羅患率が高くなることから活性酵素は“万病のもと”ともいわれている。呼
吸で吸い込んだ酵素の一部が活性酵素になり生体の易感染性を防ぐ材料となるそれらの疾病
を誘発するのである。産生過剰によって不飽和脂肪酸と結合して大きい毒性をもつ過酸化脂
質となる。
活性酸素の産生を防止するには酸化還元電位の低い水に生体を浸漬することも一つの方法
である。清澄に澄みきった湖沼の水も純水とはいわない。古い諺にもあるように“水清よけ
れば魚棲まず ともいうが超純水は飲めるが痩せた水で微生物の数が100p3当り4−5
個という水である。天然の水は金属イオンも多く健康的な水ともいえる
その水をもとに創生水がつくられているのである。
深井(利春)は、自分のつくった水から水素を取り出したのである。
水の中には水に溶けている低濃度の<水素イオン=H+ ,プロトン>がある。深井(利春)
のつくった<O/W型>エマルジョン燃料が大きく燃えることについての燃焼理論では水中の
水素の位置が今一つ明らかではない。しかし、一般に<O/W型>も<W/O型>も水が主役の
一方であるので燃焼の際、水はどのような働きをしているか、については多くの報告がない。
しかし、<O/W型>では<W/O型>よりも明らかに水のもつ割合が多いのである。
水素は<H2O>のHのように水にはあるが水から水素を抽出することは技術的に普及していな
い。地球上では水素の存在は“割合”としては多いのは水中であるが水素化合物のメタンが
容易に取り出せるのに対して水素は困難である。深井(利春)は水から水素を抽出して実験
プラントながら燃焼させたのである。その証明として燃焼時に煤は全く出ず炭素がないから
黒体放射はおきず水素が燃える姿は肉眼ではみられない。
深井(利春)が水素を取り出して燃やしたのは水分子のもつ化学的な骨格としての化学結合
を大きく振動させたことによるものと推察されている。普通の炭酸水素の炭化水素の炎より
も水素の炎は放射による外部へのエネルギーが少ないので他の物質と比べて高温になる。か
つての名優チャップリンの演じた「ライムライト」は深井(利春)の取り出した酸素−水素
の炎で生石炭(ライム) を加熱すると発生するガス体(水素)のみせる明るい光であるが、
純水の水素炎は炎の色は無色である。
U.創生水の赤外線スペクトル,ラマン散乱,NMR,X線回析,中性子分布などについて
水の中にあるクラスターは氷のときの形ばかりではなく水分子の運動によって変化しつづけ
る。そのため水分子のクラスターの集団では結合の離断や集簇が常に繰りかえされている。
常温時の水の分子を赤外線振動スペクトルでその結合状態の分布の変化としてみることがで
きる。液性物質の表面では波長の短いものが吸収されやすい。
赤外線分光分析では2.5〜25μm(4,000−400p?1)の赤外線が使われる。この数値に示され
る吸収スペクトルは水のもつ分子の双極子モーメントの変化を伴う分子の振動に由来するか
らである。
赤外線振動スペクトルからわかるのは水分子の結合状態の分布の変化である。
水の分子はかなり特殊な形であるので、その全てをこれらの方法に置き換えるのは困難である。
しかし、これら一連のグラフでみるように縦横の軸の形でうかがえる。参考資料の図では横
軸が波数か波長かとなり縦軸は透過率や吸光度になる。
赤外線は普通に熱線ともいい、波長が0.8μm−1,000μmまでの不可現光線で、スペクトルの
赤色の光線の外側にあるので赤外線(infrared ray)という。赤外線には波長の短い近赤外
線と波長の長い遠赤外線があり、水などの物質では水の分子が全て水素結合しているわけで
もなく回転−並進運動をしている分子集団と、これとは別に数個までの単位で集まって自由
に動きまわる分子集団と、また、これとは別に数個以上の水分子が安定したループ状の水素
結合体をつくっているが、この形は複数の分子から成る集団である、それがあたかも一個の
大きな分子であるかのようにみせている集団など、さまざまである。また、さらに数十個の
水分子集団が水素結合の形になって全体として大きな水分子集団となっているものもある
のが水という一種の得体の知れない物質の姿である。
水は分子間の相互作用が大きいために外部からの干渉に対して大きくは変化しない
その証拠に液状の姿のまま体積を増(小)やすこともできるが水蒸気のように絶対的
に不安定に的に不安定になった形にもなる。つまり固体と気体の形になってもその形として
エネルギーを保つのである。水の融解熱と気化熱は他の同類の液体よりも高いことは周知の
事実である。水は低温につれて水の密度が増加し3.98℃で最大になることと、4℃から融点
の0℃までに再び密度が下がる。これが氷が水に浮く姿になるのであり他の物質同士ではあ
り得ない現象である。水の身元を洗うもう一つの方法はX線回析である。X線はレントゲン
線ともいい専門用語でいうと単一エネルギースペクトルをもつ蛍光X線と連続エネルギースペ
クトルをもつ連続X線がある。物質内へのX線の透過力は波長が短いほど大きく物質のさまざ
まな形を捉えることができる。X線分光分析では水にX線、電子線、放射線を照射し、その
とき発生する特性入線より水を構成する元素の同定と定量をみるものである。原子と隣接す
る他の原子との距離や結合数などもわかるのである。水の構造の研究で有名な
A.H.Narten,(1971)は水は液状のままでも氷と類似の形を水分子の水素結合によって保って
いるということをX線回析でみつけたと報告をしている。それによると種々の水を取り囲む
環境に応じて水は変身するが基本的には正四面体構造を保っているという(都田 昌之,2002)。
さらにもう一つの方法は中性子回析であるが、これは他の方法と比べて中性子が一種の波動
の性質をもっているので水に中性子が入ったときに中性子の散乱の姿がみられるという方法
で水の形をみるものである。
中性子の分光器(スペクトロメーター)で測定するがX線回析と同じ原理による結晶分光法
と中性子が水中に入ってその中で飛ぶ時間を調べる方法とがあるが、これらはきわめて専門
性の高い測定法である。
これらの成績として創生水が他の一般の水のもつ性質をもっていながら特異的な成績を示し
たことは新しい事実である。それらをsummarizeすると
1)赤外線吸収とラマン散乱について代表的な水の赤外線とラマンスペクトルを比較した結
果他の水とは異なった曲線が得られた。
2)NMRで水の構造(I,V,Dの3型)を他の水とともに比較したが大きな差はみられなかっ
た。
3)水としての自己拡散係数を計測した結果、他の水とは僅かな差異をみとめた。
4)X線回析で常温、常圧下での構造を特定して他の水と比較する。
5)創生水と一般の軽水や重水と比較した僅かな差異をみとめたが解釈は不能であった。
V.創生水のidentityについて
日本の水道水は水道法によって供給される飲料可能な水である。取水源は河川などである
が水質は水道法による水質基準に関する省令で定められている。安全な飲用水として生物系
の汚染因子の混在を極力、取り除くシステムがとられ、またシアンイオン、水銀などの有害
金属が検出されてないことが条件となっている。
また、銅、鉄、マンガン、亜鉛、ヒ素、カルシウム、マグネシウムなどの含有量もきめら
れている。さらにPHの偏りを規制しているので水素イオン濃度は5.8ー8.6以内にとどめられ
ている このような水道水をもとにかつて重油もれの大事故が発生した折り、創生
水の創始者の深井(利春)は油汚れの大半を自己の考案になる創生水のみで洗い落としたの
である 水のもつ洗浄力はもともと大きいものであるが、さらに溶解性を大きくした点で
は水道水とは大きな差がある。
深井(利春)の着眼点は物理学の法則でいう液体の溶解性はその物質のもつ誘電率と関係が
大きいことであった。一般論として水のもつ誘電率は78.46でグリセリンの42.5に対して2倍
近くベンゼン(2.8)とは比較にもならずアセトン(21)の3倍以上という高値である。
一般論でいう誘電率は、ある物質中に2個の電荷をある距離をとって置くとき電荷の間に作用
する力(クローン力)が真空中のクローン力よりもどれ程低くなるかを示す値である。
水はもともと誘電率の高い物質である。ことに深井(利春)は着目したのである。
因みに創生水の伝導率は125μs/cmである。これらの特異的な値は水のもつ誘電率をさらに
高める工夫をしたためである。普通、ものを溶かす場合、溶媒を使うのは溶媒のもつ溶質を
溶かす性質を利用するのである。例えば砂糖水をつくるには水を使うが、この水が溶媒とし
ての働きをするのである。
水は何でも溶かす能力があり、純金さえも溶かしてしまう能力がある。この意味では水を
永久に封じ込める容器はないとさえいわれるのである。
深井(利春)が水のみで油汚れの布地を洗ったという事実は水のもつ溶解力をさらに高め
たことによる。
水のもつ性質のうち、酸化と還元がある。物理化学の初歩に近い<酸化反応と還元反応>
が水ではどうなっているのか。深井(利春)は自己の工夫による創生水のもつ水質として酸
化 ― 還元電位のset-pointを低くなるように設計した。つまり水と生体との関係でみる場合、
生体にとって生体中の多くの物質が酸化されることは好ましくないことではない。 このよ
うな特性を多くもつ水道水がどのようなprocessで水道水からつくられるのか、を以下に記述
する。
創生水の生成過程の概略
水の分子構成は水の分子間で相互に引き合う規則正しく動く集団と、それらとは別に自由
に動きまわる集団もある。これらの間には一つの推定としてファンデルロース力の理論に近
いシステムがあるものと考えられる。このような場合の水はイオン化が大きくなり水分子間
でアノード側では酸性度が強くなり、一方、カソード側では逆性になっているものと推察さ
れている。
深井(利春)は、このシステムをさらに強化しようと考えて第一の素材として変成岩中の
ホウ素を含むケイ酸塩としてトルマリンを用い、さらにこれらを微細胞結晶化させ、これに
加えて誘導体となるセラミックを混合させたものを特殊な装置を用いて高温で焼成させると
無数の超微粒体の<electrode potential>が発生し水分子間で相互にイオン伝導性の各相が
常に接触することで無限に近い電極電位が発生する。
このような物質の集合体は化学的に3{ NaX3A?6(BO3)3/Si6O18(OH9)F)4 } の形になるもの
と推定(名古屋工大 分析化学 2006,12,4)された。これらの超微細電極の集合体の形は<
electro magnetism>の法則によって水分子間にアード,カソードの相互の極性が生じるもの
と推定される。この現象は水分子のもつ電荷の偏りが生じて極性結合になるので水のもつイ
オン結合が大きく不均衡になるため水は低い酸化還元電位をもつに至った。
深井(利春)がトルマリンを用いたのは<eletromagnetivity>の大きいもの程、電子間で引
き合う力が大きいことになるという原則を利用してトルマリンを接触させることで、その現
象を再現させたのである。トルマリンの面と水が接触すると広義の<electorolysis現象>が
おきO2とH2が大きく発生することになるために水という分子集団の中で、これらの電気化学
反応が生じるため水は<H2・O2>型が強くなり発生した水素ガスによって酸化還元電位が著
しく低くなる結果となった。
これらとは別に、原材料の一つの変成岩は苦鉄質由来の火山岩で化学的にケイ酸塩で半晶一
完晶型となっている<SiO2>の割合が大きく、本来ケイ素のもつ<oxoanion>の酸素型の金
属と強く結合する作用をもつことからトルマリンの微細結晶と混合して 1000℃前後で焼成す
ると<derivative corundum>ができる。
これは<alminium oxide = Al2O3 + Sio2の合体物>になったのである。これらの物質を高
温で焼成すると<ceramic corundum>の表面に表面伝導現象が生じて水分子間で界面動電現
象によって電位差が大きくなり酸化還元電位が低くなったのである。
創生水の生成の基本は水が接触した際、水分子間に無数の<electrode>が生じて水分子個々
が電子伝導体となったものと推定される。そのとき<electrode単位>の中でイオン伝導性の
「相」として水があり、一方の電子伝導性の「相」としてトルマリンがあったことで電荷の
移動が無限に続くのである。
これらは一般論として水のもつ<hydroxylation>ともいえる反応であり<cation現象>にも
つながるが<cation>は常に誘電率の高い溶媒に親和する原則から(+)イオンとして水和イ
オンが大きく発生したのである。推察では活性水素が高まったことから水分子間でプロトン
(H+)が解離しやすくなったものと推察された。
深井(利春)の着眼は<ceramic corundum>の表面には無数の<electode>が発生しているこ
とで、これと水との接触による成果と期待したものである。
さらに<obsidian>を使ったのは推察では遠赤外線を放射することから水分子への振動効果
を期待したのである。
深井エマルジョン発熱量測定について
NPO日本スターリングエンジン普及協会理 事 長
鶴 野 省 三(防衛大学校名誉教授・工学博士)
1.はじめに
重油と水のエマルジョンは、そこに適当な触媒があれば水蒸気改質反応が発生し、水に含
まれる水素エネルギーが解放され、重油のみならず水もまた燃焼熱を発生する。通常のエマ
ルジョンではこのような反応は発生しないと思われるが、深井環境総合研究所が開発した、
黒曜石やトルマリン等を使う水処理装置で処理した水は、それ自体が重油と親和性があり(鹸
化作用)エマルジョンを作りやすい水となり、この水で作製したエマルジョンは水蒸気改質が
発生するのか、その発熱量は基油が持つ発熱量以上の発熱量が測定される。それゆえ、燃料
電池で水素発生させる改質反応と同じ反応がエマルジョンの燃焼過程で発生している可能性
を示唆している。
そこで、深井エマルジョンの真偽を確かめるべく平成20年12月以来、深井エマルジョンの
発熱量測定に取り組み、今年3月、ようやく深井エマルジョンの発熱量測定法を発見し、発熱
量測定を行ってきた。本稿は一応まとまった結果を得たので、それを報告するものである。
2.深井エマルジョンの発熱量測定
2.1 試料作製
測定に供するエマルジョンは、A重油と深井機能水を、所定の割合(質量比率)で混合する。
混合はプロペラ型撹拌機で、撹拌速度は400rpm~200rpm。混合液はエマルジョン化しない状態
である。熱量計はボンベ熱量計であり、測定は潟jチユ・テクノで実施した。 ニチユ・テ
クノにおける測定は、試料調整は、筆者立ち会いのもとで深井環境総合研究所が行い、その
試料の熱量測定をニチユ・テクノが行った。
ここで特記しておきたい点は、完全乳化したエマルジョンは、ボンベ熱量計で使用する試
料封印カプセル(ゼラチン製)に注入すると、水と重油がすぐさま分離し、分離した水がゼラ
チンに吸収される。そのために重油と水の間の水蒸気改質が発生しない。発熱量測定は、試
料検体をセットして点火するまで15分の時間がある。したがって、試料封入カプセルに試料
を入れてから15分間で、被測定物に変化が生じたのでは、正確な測定ができない。エマルジョ
ン測定では、このようなことが発生するのである。これは偶然から発見したものでが、この
ような予期しない現象が、未知の領域には存在する。
これに対してエマルジョン化していない混合液は、カプセル封入後も重油と水の分離も少
なく、試料封入から測定時の発火まで(約15分)の間、重油と水の混合状態が維持される。そ
の結果、水蒸気改質反応が発生するのであろうか、測定結果はH2O中のH2が燃焼熱の増加に寄
与する結果を示す。
2.2 エマルジョン発熱量測定の特異現象
エマルジョン発熱量測定で最も悩ましい問題は、測定結果が大きくばらつくことである。こ
の原因については、長期間悩まされたが、エマルジョンの構造を考えると、W/O、O/Wのいず
れの場合も液滴の直径にしても、また各液滴における油分と水の混合比にしても不均一と見
なすのが自然である。しかも試料採取はわずか0.5g程度であるので、エマルジョンの液滴の
不均一さが残るのではないか、と考えるに至った。また、実際の測定においては、採取場所
により測定値の大小に一定の傾向が出る場合もある。常に同じような混合状態ができるわけ
ではないようなのである。
それゆえ、試料採取ポイントは3点(ビーカーの深さ方向に、上・中・下)とした。これま
での測定では、発熱量測定値のバラつきを小さく抑える方法を発見することができなかった
ので、エマルジョンでは、本質的に局所的混合比が不均一であると考えている。それゆえ、
エマルジョンの測定は、可能な限り多く実施し、その結果を算術平均すれがほぼ妥当な発熱
量を得ることができると考えられる。
3.測定結果
測定結果をまとめたものを図1に示す。<図1の説明>
図1は、発熱量の倍率を縦軸、横軸にエマルジョン中の含水率をとっている。図中の曲線は、
エマルジョンを構成する水の水素分のうち発熱量として解放された場合の発熱量増加率を示
すもので、ここでは水素分の50%、 40%、10% が発熱した場合のエマルジョンの発熱量増加率
を示している。
発熱量増加率=1のラインを赤線で示しているが、これ以上であれば、エマルジョンは基油
の発熱量より多く発熱している。それ以下では、基油より小さいということになる。
発熱量測定は含水率が0.3、0.4、0.5、0.6について測定した。測定結果は各含水率で直線状
にプロットがあるが、それが測定値である。直線はデータがばらついた範囲を示している。
は各含水率における発熱量の平均値である。
したがって平均値は水素リリース50%のライン上をなぞるように分布する。換言すると水蒸
気改質による水反応率が50%程度であることを示唆している。
また図1には完全乳化したエマルジョンの発熱量測定値をプロットしてあるが、完全乳化
のエマルジョンは、試料封入カプセルとの反応で、エマルジョンの水分が分離し、ゼラ
チンに吸収される(図4)ため水蒸気改質が起こらない。そのため、基油以下の発熱量し
か測定できない。 この結果は、エマルジョン燃焼において水蒸気改質が発生している
ことを反証するものでないか、と考えられる。 4.結論 深井エマルジョンは、含
水率=0.6(60%)では、発熱量増加率は1.27程度になる。すなわち基油に対して約30%近く
燃料節約になる。この測定結果は、ほぼ間違いがないものと考えておりこれを活用・実
用化することは、計り知れない利益を生むことになる。
<追記> 本測定の推進に当たっての協力頂いた方々
本測定は深井環境総合研究所のエマルジョン開発のために実施しているものである。
深井環境総合研究所と筆者の関係は同社が、筆者が理事長を務める「NPO日本スターリングエ
ンジン普及協会」の会員企業であり、同社社長 深井利春氏は理事を勤めている。る。本測
定はこのような関係の中で、同社から依頼され実施してきたものである。
またこのエマルジョン発熱量測定は、水が燃える類の怪しげな印象を与える問題であるた
め、どのように切り込んでいくか難しい問題が横たわっているが、信州大学繊維工学部 藤
松 仁教授と宮崎プラント(JFEから出向中)の金辺民朗氏と出会い、緊密かつ濃密な討論と
意見交換をして頂いたことにより、エマルジョン像の輪郭をつかめることができた。両氏に
対する感謝の念は言葉に表わし得ないものがある。 藤松教授は、深井機能水の特性を研
究され、その結果深井機能水には触媒となる物質が存在することを発見された。 金辺民朗
氏は、エマルジョン燃焼に水蒸気改質反応理論を適用し、最適な油:水混合比率の推定や測
定値に対する種々の所見を頂き、濃密な討議をさせて頂いている。
<測定結果>
参考までに図1にプロットしたデータを示す。本測定は不完全な乳化=重油・水混合液
で行っている。完全乳化エマルジョンに関しては5点のみである。
<試料調整の状況>
1.不完全乳化の場合
図1は、ビーカー(300CC)で撹拌中の画像である。図2は試料封入カプセルに入れ、時
間経過を観察している画像。10分経過後の状態。エマルジョンはまだ油・水に分離していな
い。
創生水の物理化学的評価
概説
天(宇宙)・地(地球)・水(海)・人(生物)に共通する要素は水である。宇宙創生期に
生成した水分子は巨大な水蒸気や氷塊となり宇宙空間を漂っていた。水蒸気や氷は、高温高
圧のもとで星間ガスや塵と反応して微惑星や恒星を形成し、微惑星が衝突を繰り返して銀河
系、太陽系、地球をそして地球生命体を誕生させた。
宇宙進化、地球進化、生命進化を促したのは水であることは誰もが否定のしようがない。水
が創造の根本だったという古代人の考えは正しかったのである。
137億年前、ビッグバンと表現されている巨大なエネルギーが水という物質に取り込まれ
たと考える。したがって水の本質はエネルギーである。水(物質)⇔エネルギーは、E=mC2
の式によっても確認できる。
ビッグバンから約70万年後、プラズマ宇宙(エネルギーの渦)が晴れ上がり、この世の
最初の物質である水素原子(プロトン)が誕生した。プロトンの進化により物質の元(原子)
が次々と発生して、宇宙創生期において92の基本原子がそろった。基本原子で最も重要な
原子は、水素、炭素、窒素、酸素、である。
先ず水素と酸素が電子により爆鳴気反応を促され水が生成した。ついで炭素と窒素が水のエ
ネルギーと反応して原始アミノ酸ができた。アミノ酸が重合して核酸やRNA、DNA、そしてタ
ンパク質が合成されていく。こうした反応は、微惑星や恒星の生成過程や崩壊過程で起きて
いたと考えられる。微惑星や恒星は、物質を生成する反応釜であり巨大な原子炉とみなされ
ている。
恒星が超新星爆発により崩壊すると同時に数百万トン単位の水が宇宙空間に放出されて新た
な星の形成が始まる。銀河系でもっとも大量の星を生む場所の一つは、オリオン座の雲の複
合体で、そこには非常に多産で大量の水が存在している。最近のデータによるとこの雲の複
合体は極限まで濃縮された水蒸気を含んでいて、その濃度は他の星間ガス雲の水の濃度の約
20倍であり、地球の海を1000万回満たせるだけの水の量であるという(UNIVERSAL WATER──
West Marin、Ph・D)。宇宙空間をはじめとする自然を観察した結果、すべての現象に水の生
成と消滅が関与していることがわかった。すなわち水が生成される時は、巨大なエネルギー
が発生し、水が破壊される時は巨大なエネルギーが消費される。水の生成と破壊により宇宙
は進化して星や銀河系、太陽系、そして地球および生命系がつくられていった。
水の生成と破壊は、現在も我々の身近なところで頻繁に起きている。
もっとも有名な水の生成の例は雷現象である。雷雲(水蒸気)が発生すと雲間の中間体に電
磁気、超音波、光、などのエネルギーが飛び込んでくる(水に吸収される)。エネルギーの
吸収が飽和点に達すると絶縁体である空気を切り裂き、稲妻が発生し落雷となる。稲妻の温
度は3000度以上になる。地表と雲間は時には1億ボルトに達し、1回の落雷で流れる電流
は約1万アンペア、平均20〜30クーロンの電荷を10万分の5秒で運ぶ。雷雲(水)か
らは電気のほかに磁気、電波、光、放射線、音などあらゆる形態のエネルギーが一気に放出
される。 花崗岩やケイ素が含まれる雲母、水晶体の多い地層における地下水は、岩盤から
照射されるガンマー線や高圧力の影響で水分子が壊れて解離している。世界の薬水で有名に
なったドイツのノルデナウ地下水は、イオン化したOH−が一般の水(雨水、水道水)に比べ
て2万倍も存在していたことが実証されている。
ノルデナウの水:(H2O)+放射線(エネルギー)→H2↑+OH−
創生水の生成原理は、ノルデナウの地下水と同じであるという。
水が破壊される現象(解離)は、植物の光合成においても見ることができる。
光合成:6H2O+6CO2+太陽光→C6H12O6+6O2
植物の根から吸収された水分子は、葉緑体において破壊される。破壊のエネルギーは太陽光
由来の電子である。電子に励起された水分子は、イオン化され(H+とOH−)二酸化炭素と反
応して栄養素となる炭水化物(C6H12O6)を生成する。我々の生体内でも同様に水の生成と
破壊(解離・イオン化)現象が起きている。これが生命活動の基本である。
呼吸鎖(細胞内呼吸)における水の生成:C6H12O6+6O2+6e−→6H2O+6CO2+電位(エネ
ルギー)発生した生体エネルギーを使い、ミトコンドリアの合成酵素のモータを回転させて
いる(発見者のP・ボイヤー、J・ウォーカーは1997年ノーベル化学賞受賞)。ミトコンドリ
アの土台が回転して発電する原理は、タービンが回転して発電する水力発電所と同じである。
ミトコンドリアが回転して生体高分子ATPを生産しているが、ミトコンドリアの仕事はATP生
成だけでなくて各種ホルモンや神経、筋肉、体温など生命活動の基本物質をつくっている。
生き物はミトコンドリアに操られているといっても過言ではない。ミトコンドリアのエネル
ギー源は解離した水のイオンであることを強調しておかねばならない。現代医学はこの重要
事項を見落としている。
生体内の水の破壊(解離)の現象は、細胞膜内のアクアポリンにおいて見ることができる。
膜内を通過する水分子は、膜内の電位(120mv)の照射を受けて壊れ、イオン化してい
る。生体内膜内の電位は、微力に見えるが生体外で計算すると20万Vに匹敵する。さて創生
水の名前の由来は、宇宙創生期の水であるという。
創生水が引き起こす各種の機能性は水のエネルギー現象によるものと考える。
創生水の生成工程をみていくと、水分子にエネルギーを負荷して水のエネルギーを抽出している。
基本原子の中の水素と酸素が爆鳴気反応により衝突して電子雲に取り込まれて水ができた。
これが始原宇宙における創生水である。電子の結合エネルギーにより水分子はネットワーク
を形成している。電子の結合を切断すれば(エネルギー負荷)水分子は、解離してH+やOH−
という素粒子に戻る。これをイオン化、あるいは電離ともいわれているが意味は、同じであ
る。化学式ではH2O⇒H++OH−と表現されている(ポーラロンの学説)。
水の温度25℃ではどんな水溶液についてもイオン積は1014同じ値を示すがエネルギーを負荷
されて溶媒化した溶液のイオン積の値は、小さくなることが分かっている。超電解した水は
1012、超臨界水は1011のレベルまでイオン積は小さくなっている。
イオン積が小さいほどイオン化(微粒子化)しており、水の水素結合が切断しやすくなる。
イオン積が小さくなることで水の物性が変わり、機能性が高まることが実証されている
(Biophysical Chemistry107(2004)71──82)。水分子がイオン化する条件として先ず、共
有結合を切断しなければならない。電子雲を破壊するには、それ相当のエネルギーが必要で
ある。創生水の生成過程において、原水を黒曜石やγ線を照射する岩石をくぐらせている。
この段階でどの程度のエネルギーが照射されているか計測されていないが、いろいろな創生
水の物理化学的な実験結果から判断すると、創生水のイオン積はかなり小さいと考える。
創生水の作用機序
腸内解毒
宇宙創生期において水分子は、爆鳴気反応によって生成された。この時、電子放電を受けた
水素原子は、プラスの電荷をもってイオン(H+)となり、電子(e−)を伴って水溶液中に
放出されたと考えられる。その結果、水素原子は電子雲に囲まれて遊離してプロトン&電子
(H++e−)となり単独のフリーの物質として機能している。
イオン積や水のエネルギー論は、あくまで純水を前提にして考察されている。現実の水に
は、各種の溶質が存在している。例えば、河川や雨水など開放的環境下の水いわゆる環境水
には約2千万種類の物質が溶けているといわれている。人工的な処理を施した水道水におい
ても、約1千種類の物質が存在している。
現在の水に対する認識は、溶出論(溶けている物質中心の理論)である。溶出論から導かれ
る水の処理技術は、RO膜、イオン交換樹脂、PP、活性炭、などのフイルターを通しての浄水、
吸着処理や紫外線、オゾンを使用した殺菌処理が主流となっている。溶けている物質の中に
も微量第七金属や有機物など生体に不可欠な成分もある。吸着処理や化学的処理では、何を
除去して何を残すのかの選択は困難である。
そこで、溶けている物質の分子を壊して(イオン化)解離させる発想が求められる。
溶けている物質を根こそぎに解離させるには、膨大なエネルギー負荷が必要である。
1リットルの水道水を解離させるには、熱エネルギーに換算すると約3000℃は必要である。
地球のマントルと直結した深海の熱水噴出孔のような極限環境の水は解離している。
近年、熱水噴出孔が生命誕生の場であることが明らかにされた。各国の海洋開発研究機関は、
硫黄細菌、オリゴ糖のルーツはじめとする嫌気性の微生物を採集して実証している。解離し
た水がアミノ酸を作り、核酸やRNA,DNAを生成して最初の生命体を誕生させたといわれている。
水に圧力、電磁気、放射線を負荷すると、比較的簡便に水が解離することが分かってきた。
創生水は、圧力と放射線負荷で解離していると考えられる。光岡知足博士(東京大学名誉教
授)や寺田厚教授(日本獣医畜産大学)の実験によって創生水が腸内環境を改善する効果が
あることが確認された。創生水によって腸内環境が嫌気性に改善され、乳酸桿菌やビフィズ
ス菌が増加して、大腸菌、ブドウ球菌、クロストリジュームを制御したことが実証された。
創生水から解離したプロトン&電子(H++e−)が腸内に存在しているラジカル酸素を消去
したと考えられる。腸内環境が好気性に変わると本来、日和見菌である大腸菌やユウバクテ
リウムも有害菌に変化してウェルシュ菌なども増加して腸内環境を悪化させていく。創生水
の解毒の作用機序は、以下のように説明できる。
1)・O2−+(H++e−)→HOO→HO2
HO2はヒドロパーオキシドラジカル発生期の活性酸素。・O2−とHO2は水溶中で共生している。
計算ではpH8・4で二つは同量である。
2)HO2+(H++e−)→H2O2
3)H2O2+(H++e−)H3O2
H3O2+(H++e−)→・OH+H2O
4)・OH+(H++e−)→H2O
4陽子4電子の不均化反応により活性酸素はすべて水に戻され生体解毒が完了する。
創生水の水素発生の仕組み
概略で説明したように、イオン積の小さい水は微粒子化して水素結合が切れやすくなっている。
通常、水分子はH──O・・・Hのつながりでネッワークを作っている。HとO
角度は軽水では105・3’である。──の実線は電子の強い結合で114・5kcal,・・・は弱い結合で
4・5kcalである。
水道水や河川の水はH──O・・・Hの間に溶質の分子が入り込み実際は複雑な構造になっている。
水のネットワークを構成している水素結合が切れるとHが電子を伴って飛び出し、溶質(有機物)
の水素原子(H)を取り込み水素分子(ガス)となる。
(H++e−)+H→H2
イオン積が小さく、解離していれば必然的に(H++e−)の量が増加していく。もともと
(H++e−)を多く含む創生水にアルミニュウムなど水素の含有量の多い溶質を入れると、
水素ガスの発生が多くなり所以である。
水に温度や圧力を加えると水分子の並進運動(分子間の衝突)が激しくなり水素ガスが気相中
に弾き飛ばされる。加える圧力や温度が高ければ高いほど気相中の水素ガスが増加する
(ヘンリーの法則)。
水のイオン積が小さくなるにつれて、解離が進みH+やOH−が増加していくことが確認されて
いる。水素発生や腸内環境の改善は、(H++e−)によるが、OH−の増加は、水の溶解性が
高まる機能がある。
創生水の洗浄能力が高いのはOH−の量が増加していることによるものと考えられる。
2.完全乳化エマルジョン
図3は、超音波発生器でエマルジョンを作製している画像である。このようなエマルジョンは、
試料封入カプセルに入れると、図4のように水が直ちに分離し、容器ゼラチンに吸収され、容器は
変形している。このような状態になるため、水蒸気改質が発生できないのではないか。