9.21「エネルギー政策フォーラム」への期待

2011年3月11日、私たちの想像を超えた,未曾有の巨大地震が発生しました。広域にわたる
巨大地震と大津波,福島第一原発事故,その後の度重なる余震、風評被害と立て続けに起こ
ています。地震や津波の被害も甚大でしたが、原発事故の影響は特に深刻です。大量の放
射性物質が大気や海洋へと放出され,その影響が無くなるには何百年もの長い年月が必要
になります。原発は絶対に安全だといわれ続けた「安全神話」が崩壊したのです。

その一方で、私たち日本人は戦後、科学や技術を大きく発展させ、品質のよい「ものづく
り」に寄与してきました。この製造業に欠かすことのできない電力は、いまだ海外からの
石油に大きく依存しています。また中国やインドなどアジアの発展途上国は今後、電力需
要が大きく伸びると予想され、日本がいつまでも海外から石油を安定的に供給してもらえ
るかは、時間と共に大きな不安定要素になっています。また、電力を造り出すために石油
や石炭や天然ガスなどの化石燃料を使用すると、温室効果ガスが発生し、地球温暖化が進
行します。以上のことから、日本の産業に欠かすことのできない電力を、化石燃料に大き
く依存することなく、海外依存度を低くしながら、安定的に供給し続けられる体制を構築
しなければなりません。

その意味で再生可能エネルギーの活用が有効だと言われています。太陽光発電や風力発電
などの自然エネルギーです。これを現実的に使えるのなら理想的ですが、電力供給が非常
に不安定になるという欠点を抱えており、現状のままでは日本の産業界に安定した供給は
期待できません。自然エネルギーの需給バランス改善や電力蓄積に向け、通信とITを活用
する「スマートグリッド」と呼ばれる技術を使って実験も行われていますが、自然エネル
ギーが日本の電力供給の柱になるには何十年もの年月が必要と見られています。

今後、私たちは電力供給源として何に頼って生きていけば良いのでしょうか?
安定した電力供給という点から見れば原子力は確かに有効です。しかし、それだからといっ
て、いままで通りに原子力を利用し続けるのはもはや難しくなったと言えるでしょう。

現行の原子力利用は核燃料にウランを用いた軽水炉型と呼ばれるもので、多種多様な原子
力利用の中のほんの一種類に過ぎません。現行の原発は、第二次世界大戦中から軍事利用
を目的に開発が始まったウランやプルトニウムを用いた核分裂反応を基本にして作り出さ
れたので、軍事兵器に転換されやすい危険なものです。原子力利用の形態には核分裂もあ
れば核融合もあります。核分裂にウランやプルトニウムといった核燃料を使わないタイプ
もあれば、核燃料が固体のタイプや液体のタイプのものもあります。このように原子力利
用といっても様々なタイプがあり、現行の原発と比較して安全な形態の原子力の利用は十
分可能だとする研究者も多数います。その有力候補の1つが、本フォーラムで取り上げる
トリウム熔融塩炉です。

エネルギーの需要と供給の現状から鑑みて、長期的には自然エネルギーへの転換を推し進
めていくべきだと考えます。一方、中期的には、自然エネルギーへの橋渡しとして、現行
の危険極まりない原発の廃絶に向け、安全な形態の原子力利用を推し進めていくことが、
私たち日本国民の生活にも経済にも支障をきたすことのない現実的な方法だと確信します。

本フォーラムを通じて、以上のような議論や検討が国民全体に深められ、国民的コンセン
サスの造成、確固たるエネルギー政策確立の契機となることを期待いたします。

2011年9月21日           信勇会代表 松野 恭信
    
                賛同者名 署名

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トリウム安全原発の実現を!
 

現代は、“科学革命の時代”と言われている。交通・通信手段の発達をはじめ
とする科学の恩恵を拒否すれば、現代の文明生活は成り立たない。 反面、科
学は、核分裂反応の利用という「パンドラの箱」を開け、人類絶滅の脅威を生
みだしたのをはじめ、経済発展の格差により生じる絶対的貧困、テロの拡大、
さらには、人間の“非人間化”を生み出した。

今回のフォーラムの主題は、エネルギー問題であるが、科学をエネルギーとい
う視点から見ると、核兵器など大量破壊兵器の製造・装備は、エネルギーの最
大の浪費であり、他方、生態系との調和を無視した“経済至上主義”は、エネ
ルギー循環体系の破壊を加速させている。


人間の「存在」について、西洋では環境を捨象した「個」と捉えてきたのに対
して、東洋では「場―関係性」と捉える。我々東洋人は「人間(ジンカン)」
と書いて、人は、人と人の関係性(連体)に中にあると見る。我々は、西欧の
科学技術文明、「個」のパラダイムにはまり込んで、東洋特有の「関係性」を
失いつつあるのではないか? 他方、環境との関係性を無視して「個」を主張
しようとする西欧のパラダイムからは、環境破壊が起こるのが当然の帰結であ
る。東西文明の行き詰まりを打開する新しい視点、全体(環境・宇宙)の視点
から永続性(サステイナビリティー)、循環型(リサイクル)の発想も生まれ、
「個」による一人勝ちから、「個」と「関係性」との東西融合による「共存共
栄」という新しい文明的発想も生まれる。

この発想は、政治・経済・医療などあらゆる分野でのアポリアを解決する糸口
になるであろう。原子力利用のエネルギー開発もその例外ではない。

ウラン原発に代わるトリウム原発は、ウラン固体燃料の代わりにトリウム液体
燃料を用いるため、安全性、経済性に優れ、プルトニウムを殆ど生産しないの
で、平和のための技術開発とも言える。また、最終処分が困難な長半減期の放
射能も殆ど生成せず、さらに、既存の軽水炉から出てくるプルトニウムを燃料
として燃やして消滅させることもできる。

本年3月11日の東日本大震災と福島原発事故以来、原発の賛否両派が持論を
主張し合っているが、冷徹な現状認識に欠け、また、先の「共存共栄」の理念
が欠落している議論は、全くの不毛であり、具体的な施策の立案と実行のため
には障害となる。


我々は、「共存共栄」の理念に立脚し、原子力エネルギーの安全性と技術的可
能性を踏まえて、次の施策の実現に果敢に取組むことを提言する。

短期的計画:ウラン原発の改善と新設中止、トリウム原発の開発、実験機完成、
および自然エネルギーの利用拡大

中期的計画:ウラン原子力廃絶、トリウム原発の運用と自然エネルギーの更な
る活用

長期的計画:自然再生エネルギーへの全面的転換

2011年9月21日  9.21 エネルギー政策フォーラム参加有志代表 大脇 準一郎

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       緊急提言「地下原発建設を!」
     
   二度と人災3・11を起こさない

            
 前  文

 地球市民機構は東日本大震災で起きた原発事故を二度と起こさないために「地下原発建
 設」を提言する。 

             
要   約

 東日本大震災は、巨大地震と津波、原発事故の三重苦をわが国にもたらした。わけても
国際評価尺度がレベル7(最高)に引き上げられた原発事故は、燃料棒露や放射能汚染に
よって日本のみならず世界を震撼させた。これによって世界は原発建設にブレーキがかかっ
ている。だが現実問題として、原発そのものを封印して人類に未来はあるのか疑問がある。
封印すべきは原発事故発生時の放射能汚染の完全封印であり、原発そのものの封印ではな
い。

 危機に遭遇した時、その民族の底力が図られる。わが国は青函トンネルを掘った実績が
あり、東京湾アクアラインや地下50メートルに掘られた大江戸線も作った。これらは今
回の巨大震災でもびくともしなかった。こうしたわが国の地下建造技術を存分に生かして、
地下の竪穴や山腹の長い横穴を掘り、空洞部に原子炉を設置する「地下原発」建設を提言
する。

 一歩誤れば大惨事を引き起こしかねない原子力発電所の建設および運転では、あらゆる
事態を想定しなけれければならない。その意味でも、どういった事故が発生しようとも最
終的に放射能を封じ込めることができる「地下原発」こそは、すべてを想定した上でなお
「安全」を担保できる原発といえる。

 地球市民機構は復興計画の核心として、「地下原発建設」を提言する。 東日本大震災
を「負の遺産」にしないためにも、試練をチャンスに変え、マイナスをプラスに転換して
いく長期戦略こそが重要だと考えるゆえんだ。それこそが多大な尊い命が失われた東日本
大震災の犠牲者への真の追悼となるであろう。 わが国は廃墟と化した先の大戦から再起
し蘇生の息を日本列島に吹き込んだし、石油ショックも乗り越えた。再び歴史的な試練を
迎えた今、萎縮することなく英知を結集し、ダイナミックな政治的リーダーシップの下、
日本再生へのシナリオを構築しなければならない。


                
本  文

 2011年3月11日の東日本大震災は、震度9・0の巨大地震と想像を絶する津波、
さらに福島第一原発事故の三重苦として東日本を襲った。わけても特筆すべきは人災とし
て起きた原発事故だ。1ヵ月後の4月12日に国際評価尺度がレベル7(最高)に引き上
げられた原発事故は、いまだ解決の道筋すら立っておらず、相次ぐ水素爆発や燃料棒の露
出は日本のみならず世界を震撼させる事態へと傷口を広げた。

 また東京電力は4月4日、福島第一原発第2号機から海に漏れ続けている高レベルの放
射性物質を含む汚染水を集中廃棄物処理施設で貯蔵するため、同施設に滞留している低レ
ベル汚染水1万1500トンを海に放出し始めた。過失によって汚染水が海に漏れるとい
うわけではなく、意図的に放射性物質を含む汚染水を海に排出することは、確信犯といっ
てもよく事の責務は大きい。人類の公共財を汚染し、人々の健康上の危害をも与えかねな
いリスクが厳然として存在するからだ。 海洋汚染に関し国際的取り決めであるロンドン
条約では、海洋性廃棄物の海洋投棄を原則的に禁止している。しかし原子力安全・保安院
は「ロンドン条約では、船や飛行機からの海洋投棄を禁じているのであって、陸上の施設
からの放出は該当しない」として口をぬぐっている。「陸上の施設からの放出は該当しな
い」というのだ。これこそ法律の文理解釈で逃げ道を作り、結果として困難な状況を引き
起こしてしまう法匪のそしりを免れがたい。

 「ロンドン条約」第1条には、「締約国は、海洋環境を汚染するすべての原因を効果的
に規制することを単独で及び共同して促進するものとし、また、特に、人の健康に被害を
もたらし、生物資源及び海洋生物に害を与え、海洋の快適性を損ない又は他の適法な海洋
の利用を妨げるおそれがある廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染を防止するために実
行可能なあらゆる措置をとることを誓約する」と書いてある。わが国はその加盟国なのだ。

 また事故発生当初、原発関係者は「想定外」という言葉を連発した。だが、最悪の事態
を想定し対処するのが安全対策の基本である以上、違和感を感じざるを得ない。「想定外」
ということで、安全を担保すべき技術者に免罪符が与えられるわけでは断じてない。 一
歩誤れば大惨事を引き起こしかねない原子力発電所の建設および運転では、あらゆる事態
を想定しなかければならない。

 その意味でも、どういった事故が発生しようとも最終的に放射能を封じ込めることがで
きる「地下原発」こそは、すべてを想定した上でなお「安全」を担保できる原発といえる。
 放射能汚染の風評被害は深刻で、海外の日本食レストランでは閑古鳥が鳴き続けている。
これらの日本食レストランで使われている食材は、日本からの輸入品は、全体の1、2割
程度でその多くは現地調達、もしくは近隣国からの輸入品となっているものの、日本食材
の安全性が確実に浸透するまでは好転することはない見込みだ。

 さらに深刻なのが海外の原発計画にかけられた冷や水だ。例えばタイでは、増大する電
力事情を手当てするため2020年から国内5ヵ所に原発導入の計画を策定しており、昨
年末にはその支援のため日本原子力発電(東京)がタイ発電公社と原発の建設や運転に向
けた技術協力協定を結んだばかりだった。

 そのタイでアピシット首相は4月、原発計画見直しを検討する方針を打ち出した。庶民
的感覚からすれば、「緻密な日本人でさえ事故を防げなかったのだから、われわれの手に
おえるはずがない」といった率直な実感がある。アサンプション大学が3月末に行った世
論調査では、原発建設に8割以上が反対していることが判明している。わけても中間層や
知識人が多いバンコクの原発反対派は95%の高率を示している。

 ドイツのメルケル首相も3月、同国の原発の運用年数を延長する計画について再考する
と表明した。

さらに豪州のギラード首相は、「(与党)労働党の考えは明確だ。われわれは原発を不要
と考えている。豪州に原子力産業を作る考えはない」と語った。またスイス政府も4月、
新しい原発建設の認可を当面見送ると発表している。 こうした状況を座視すれば、わが
国はベトナムを第一歩として始まろうとしている原発輸出も頓挫せざるをえなくなる。

 だが、試練の時こそ国家の総力をあげての底力が発揮されるべきチャンスでもある。わ
が国は、青函トンネルやを掘った実績があり、東京湾アクアラインや地下50メートに掘
られた大江戸線も作った。これらは今回の巨大震災でもびくともしなかった。こうしたわ
が国の地下建造技術を存分に生かして、地下の竪穴や山腹の長い横穴を掘り、空洞部に原
子炉を設置する「地下原発」建設を提言する。

 現代人の経済活動や生活を支えるエネルギーである電力を安価に量産できるのは、水力
資源を開発し尽くした今日、原子力しかないという現実にも目を向ける必要がある。工業
国として国際競争に生き残るには、安価で大量の電気は必要不可欠だ。大惨事の処理の只
中で困難なことではあるが、国民は皆、国の命運に重ねて、原子力の将来を冷静に考える
必要がある。

 世界を震撼させた「フクシマ」ながら、原発政策を変えない国が存在する。オバマ米大
統領は3月30日の講演で、2035年までに電力の8割を温室効果ガスを排出しない資
源で生み出す方針を表明し、「原発はその大きな柱だ」と語った。オバマ大統領は、原油
などエネルギー資源の海外依存度を減らす必要性からも原発推進を強調している。フラン
スも現在稼動中の原発の安全性をチェックする必要性は認めたものの、推進方針に変化は
ない。

 さらにブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの新興5か国(BRICS)の首
脳も4月14日、「原発増設は不可避」との認識を示した。高度経済成長を支える電力の
需要増に対応する必要があるからだ。 そのためにも最終的に安全を担保できる原発の開
発が急務となっている。

 電力中央研究所は、「地下原発」が事故を起こした場合、花崗岩や砂岩の岩盤内から地
表への放射能漏れをの被害はほとんどないことを実証済みだ。特に放射性物質の中でも呼
吸によって容易に人体に入るヨウ素131が地表にもれるかどうかが一番の懸念材料だが、
半減期8日間のヨウ素131は地中で接触する岩盤に吸着し、地表はほぼ安全であること
が確認されている。

 こうした「地下原発」こそ、東日本復興計画の核心に据えるべきだと地球市民機構は提
言する。東日本大震災を「負の遺産」にしないためにも、試練をチャンスに変え、マイナ
スをプラスに転換していく長期戦略こそが重要だと考えるゆえんだ。それこそが多大な尊
い命が失われた東日本大震災の犠牲者に向けたはなむけだ。

 わが国は廃墟と化した先の大戦から再起し蘇生の息を日本列島に吹き込んだし、石油ショッ
クも乗り越えた。再び歴史的な試練を迎えた今、萎縮することなく英知を結集し、ダイナ
ミックな政治的リーダーシップの下、日本再生へのシナリオを構築しなければならない。

平成23年9月21日
             地球市民機構 有志 代表 市河 政彦


^〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「地下原発の建設を!」市河政彦 『政界往来』より

が国の地下に大きな空洞を作る技術は世界一だ。
なぜわが国は、地下に原発を作ろうとしなかったのか、弊害
があるのか。各党と行政に質問状を出すべきだと思う。 

市河政彦NPO法人マンション管理総合支援センター代表

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  ネットワークを創ろう!
     
ネットワークを創ろう! あなたが書く手紙を使って、
あなたが交わす会話を通して、 あなたが参加する会合の中で
あなたの基本的な信念や夢を打ち明けるために、
あなたの世界へのビジョンを他の人たちに語りかけるために
ネットワークを作ろう

思想を通したネットワーク、行動を通したネットワーク、
愛情を通したネットワーク、精神を通したネットワーク
あなたは世界の中心だ。あなたこそいのちと友情の
自由でかぎりなく強い源だ
それを強くしよう、それを伸ばそう、
それを拡げよう それに日々思いをはせよう

してあなたは奇跡が起こるのを見る。
巨大な権力や媒体や独占世界の中で
あなた自身のいのちの偉大さを見る
ネットワーキングこそ 新しい自由
新しいデモクラシー 新しい幸福だ


 Robert Muller is a former UN Under Secretary General to three UN Secretary
  Generals who initiated 12 of 32 Agencies.
http://www.robertmuller.org/


「衰退に至った文明の歴史の中に、必ずしも実現すること成功しなかったとしても、事態を収拾する別の解決法が発見されたことが認められる。それが“協調の理想”である。その精神が現代に現れたのが、国際連盟と国際連合である。国連そのものは、世界のそれぞれの国の人民とは直接つながっていない。政府を通じてつながっている。人民に直接つながる国連が必要である。」        A.トインビー「歴史の研究」

「私は、あらゆる利害関係者のお役に立てるよう、精力的な活動に努めます。特に、国連を一層人々に近づけるための取り組みの一環として、私は市民社会に対話の道を歩ませるよう、全力を尽くしていく所存です。また,人道援助機関,財界,そして世界のその他,市民社会要素に対し、援助と参加を働きかけていきます。それが国連のためにもなるからです。」 潘基文国連事務総長就任演説