池田会長の国連改革への提言に対する識者の感想

1、 第12回「京都フォーラム」から 人間の安全保障――アマルティア・センの世界

  
講演では、東日本大震災の教訓を踏まえつつ、「人間の安全保障」の意義に光が当てられた

飢饉の研究が思想育む淵源に   同志社大学大学院教授 峯陽一氏

 第12回「京都フォーラム」(京都創価学会主催)が3月24日、京都市の京都国際文化会館で
開催され、峯陽一氏(同志社大学大学院教授)が「人間の安全保障――アマルティア・センの
世界」と題し、講演を行った。その要旨を紹介する。

 今年1月に池田SGI(創価学会インタナショナル)会長が発表した平和提言を興味深く読ませ
ていただいた。昨年の東日本大震災を踏まえ、「人間の安全保障」の理念が大きく取り上げら
れており、専門に研究してきた一人として大変にうれしく、心強く感じている。

 国連開発計画が1994年に提唱した「人間の安全保障」の淵源をさかのぼると、インドの
経済学者アマルティア・センの「エンタイトルメント」と「ケイパビリティ」の理論にたどりつく。

 「エンタイトルメント」とは、平易に表現すれば、人間が生きていくために欠かせない食糧や
医療といった基本的な財の集まりを意味する。センがその重要性に着目したのは、9歳の
時に故郷ベンガルを襲った大飢饉で人々が苦しむ姿を目の当たりにした体験に根ざしている。
経済学者として原因を探ったセンは、当時、食糧の供給量は減っていなかったにもかかわらず、
飢饉が起きたことに気づいた。投機的な米価の高騰で土地を持たない労働者が生きる術を
奪われた結果、悲劇が生じたという事実に行き着いたのだった。

 この飢饉に関する研究を経て、センは「脱集計化」を呼びかけるようになった。一国レベルで
集計された経済指標だけで物事を判断するのではなく、さまざまな生活環境に置かれてい
る人々ごとに、“生きにくさ”の実態に目を向ける重要性を訴えたのである。その視座は、
東日本大震災からの復興の問題を考える上でも絶対に欠かせないものだと思う。「被災者」
といっても、その置かれた状況や直面する苦しみは千差万別であるからだ。一人一人が
生きる希望を取り戻すには、それぞれの状況に応じた、きめ細かい支援が必要なのである。

 今後、日本全体の経済指標が好転したとしても、被災地の人々が取り残されたままで、
その苦境が改善されない限り、真の復興とはなりえない。その意味でも、池田SGI会長が
提言で強調する「エンパワーメント(人々の力を引き出す)」の努力を、社会をあげて粘り
強く続けることが大切なのだ。

 この「エンパワーメント」の思想は、センが考察したもう一方の「ケイパビリティ」の理論と
深く関わるものである。ケイパビリティは、一人一人にとって実現可能な生き方の幅を意味し、
潜在能力をいかに発現させるかが焦点となる。

 いわば「人間の安全保障」は、社会に暴力が蔓延する状況や、極度の貧困や深刻な災害に
見舞われた時などに、この「人々の生き方の選択の幅」が著しく局限される状態に目を向けた
考え方で、こうした危機において一人一人の生存・生活・尊厳を徹底して守り抜くためのアプロ
ーチにほかならない。

エンパワーメントを重視する池田SGI会長の提言に共感

 センはかつて、緒方貞子氏と一緒に共同議長を務めた「人間の安全保障委員会」の報告書
の中で、その要点をこう綴っている。

 「人間の生存や日常生活の安全を脅かし、男たちと女たちの自然な尊厳を危うくし、人々を
病気と疫病の不安にさらし、傷つきやすい人々に経済の悪化に関連する唐突な窮乏を余儀
なくさせる。そのようなインセキュリティ(不安全)は、突発的なさん奪の危険に特別な注意を
払うことを要請する。人間の安全保障は、人々がこれらの危機に対処できる――可能であれ
ば乗り越えられる――ように、これらの危険からの保護と人々のエンパワーメントを要請する」

 このようにアマルティア・センという経済学者が先鞭を付けた「人間の安全保障」のアプローチ
には、単に理論としての卓越性だけでなく、人間の尊厳を断じて守ろうとする信念が底流に
力強く脈打っている。これを、人権や人間開発などに続く国際規範として確立させることこそ、
現代に生きる私たちに求められている課題であるといえよう。

 日本でも昨年4月、東京大学の関係者を中心に「人間の安全保障」フォーラムが設立され、
被災した子どもたちの教育支援を宮城県内の仮設住宅で行っている。また9月には、私が実行
委員長を務め、多くの方々の協力を得る中で「人間の安全保障学会」の創立大会を行った。
他にも、「人間の安全保障」を求めて、さまざまなNGO(非政府組織)やNPO(非営利団体)
などによる活動が始まっている。

 「人間の安全保障」の理念に基づいて取り組むべき問題は、今なお世界のあちこちに、また、
私たちの目の前にも山積している。

 SGIの皆さんが、今後も更に、人間の生存・生活・尊厳を守る「人間の安全保障」の理念を
根付かせる草の根の取り組みに力を注がれることを、強く期待してやまない。


■プロフィル
 みね・よういち 1961年、熊本県生まれ。中部大学教授などを経て、2010年から現職。
専門はアフリカ地域研究、人間の安全保障。主な著書に『現代アフリカと開発経済学』、
『アフリカから学ぶ』(共編著)がある。  聖教オンラインより引用

成蹊大学 廣野良吉名誉教授  

 世界は現在、気候変動、生物種の消滅、森林破壊、土壌劣化、水の枯渇など地球の生態
系に深刻な影響を与えている環境的課題と、飢餓や貧困、人権蹂躙、武力を伴う紛争、核
兵器による脅威など、人間社会が個人や集団の利益を守る過程で生んできた社会的課題と
いう、両面の地球的課題を抱えています。人類の将来にとって最大の危機に直面している
と言えるでしょう。

 このような時代に、広範な環境と開発の両立への幕開けとなった1992年の地球サミット
から20年後の今年6月に、ブラジルにおいて「国連持続可能な開発会議」(リオ+20)
が開催されることは、自分たちの生き方を深く反省する尊い機会を提供することになるで
しょう。 今、多くの先進国が景気の低迷、失業者の増大、膨大な財政赤字に直面して内
向きになっています。

 そうした中で行われるリオ+20に向けて、池田大作氏が社会全体の安穏が訪れない
限り、個々人の安心は得られない≠ニいう信念のもと、日本の外交政策の基本である人間
の安全保障の精神的基盤を強調し、「貧困や格差がもたらす地球社会の歪みの改善を求め
たミレニアム開発目標の精神を継承しつつ……21世紀の人類の共同作業≠ニしての目
標を掲げるべきだと訴えたい」として、「持続可能な開発目標(SDGs)」の必要性を
世界の人々に提起していることは、心強い限りです。

 世界が直面する環境的課題や社会的課題のいずれも短期的には解決できない課題です。
また、これらは相互に連関しており、統合的で包括的な発想・対策・目標の設定がどうし
ても必要です。国際社会は、国際協力を通じてしか、これらの地球的課題を解決できない
ことを銘記しなければなりません。

 これら両面の地球的課題を整合的に解決するためには、「人間が自然の一部であり、自
然との共生しか、人類社会の存続はあり得ない」という認識、さらには「国内外を問わず
あらゆる主体(個人、市民団体、社会的組織、企業、地方自治体、政府等)が相互にパー
トナーシップを組み、自己啓発、学習を通じて、自助・互助・共助・公助の精神で対処す
ることが基本である」との理解を深めなければなりません。

 東日本大震災と福島の原発事故は、2万人近い死者・行方不明者と34万人を超える避
難者を出しました。

 日本列島は、震災から1年後の現在、鎮魂の祈りに包まれていますが、この惨事の中で
同胞が歯を食いしばって復旧・復興への努力を重ね、国内外からの多大な支援を体験した
日本だからこそ、国境を越えた自助・互助・共助・公助の精神の重要性を、世界に発信す
る義務があると信じています。

 創価学会をはじめ多くの宗教団体が提唱し行動してきたように、絶対的貧困、人権蹂躙、
地球環境破壊の問題の解決、核兵器と大量破壊兵器の禁止を全世界に訴えながら、地球上
の全ての人々が「一人一人の生命の尊厳」「多様性に寛容で、あらゆる差別のない社会」
「恒久平和の世界の構築」を目指して、個人・集団・国家・国際社会のレベルで相互信頼
と人類愛を深め、経済、社会、環境、文化の持続性を推進していくことが最も緊急かつ不
可欠です。 その意味で、6月のリオ+20における、世界の宗教者による人間倫理の創
造を呼びかける活動に大いに期待しています。

 ひろの・りょうきち 1931年、静岡県生まれ。成蹊大学教授、政策研究大学院大学の客
員教授等を歴任。国連開発計画など多数の国際機関に勤務してきたほか、国内では現在、
研究機関、財団法人等で理事を兼務。

IPS名誉会長 ロベルト・サビオ氏    

 池田SGI会長の最新の平和提言を、大きな関心をもって読ませていただきました。

 これまでの提言と同じく、今年の提言も、分析とビジョン、目標と現実、知識と戦略を
統合した素晴らしい提言であります。

 特に、次のNPT(核拡散防止条約)再検討会議が行われる2015年に「核廃絶サミット」
の開催を呼びかけておられることは、核兵器廃絶に向けての強い推進力となるものです。
 2015年というのは、時宜を得たタイミングだと思います。

 過去の数年間においては、鍵を握る主要国での選挙の過程で、望みを抱く一方で失望を
感じることもありました。今年は、アメリカ、ロシア、フランスでの選挙の結果を待つこ
とで終わりそうであり、したがって今後、新たな機運とうねりをつくれるかどうかは、
2013年になって初めて明確になるのではないでしょうか。

 広島と長崎の悲劇に代表されるような戦争の現実は、過去の歴史の教訓にすべきであり、
現代において絶対に起きてはならないことは明白です。

 過去の歴史で軍事力を誇った2つの国――ドイツと日本が平和を愛する国となり、国際
協力に積極的に取り組む国となったことが世界の変革をもっとも象徴する出来事でありま
しょう。そして我々は今、核兵器が全く意味を持たない新しい多極的な世界へと向かいつ
つあるのです。 北朝鮮やイランのような国々にとって、核兵器の威力は軍事的交渉の切
り札となっていることは明らかです。

 2015年は、NPT再検討会議に対し、多大なプレッシャーをかける重要なチャンスです。

 また、金融におけるガバナンス(正常な運営)の欠如、難航している気候変動(地球温
暖化)をめぐる交渉、若い世代に蔓延(まんえん)している民主主義に対する不信感、世
界各地での雇用悪化など、現在台頭しているさまざまな地球的問題群に取り組むために、
「地球的規模での市民社会の協力と連帯」を築くことが、今、SGIの皆さん方に求めら
れているのだと思えてなりません。

 そして、これらの問題群に対する提案はすべて、30回目を迎えた今回の提言の中で述べ
られています。

 多くの国際組織と同様に、私どもの通信社IPSも、SGIの皆さん方と共に、新しい
グローバルな連帯の構築に向けて最大限に協力していきたいと思っています。

 Roberto Savio 1964年に国際通信社IPSを創設し、長年にわたり途上
国側の視点などに立ったニュースを発信する活動を推進。現在は、国際協力評議会シニア
・アドバイザー、世界政治フォーラム渉外局長としても活躍。

島根大学 平塚貴彦名誉教授            

 今回の池田SGI会長の提言には、昨年の東日本大震災と福島での原発事故により多数
の生命が失われ、被災者も未曽有(みぞう)の数にのぼり、今なお復旧・復興の道筋が見
えない惨状への思いが色濃く反映されている。

 気が遠くなるような筆舌に尽くしがたい苦難に直面しながらも、被災地だけでなく日本
中の人々、さらには世界各国の多くの人々が復旧・復興活動にさまざまな形で直接的また
は間接的に参加しており、提言ではそこに人間の無限の可能性への期待を寄せている。

 そして、真の復興を果たすためには、自他共の幸福の実現を目指す「同苦の心」と、
「連帯の心」によってもたらされる被災した人々の「心の復興」「人生の復興」こそが必
要であるとしている。

 今回の災害を通じてあらためて認識された大事なことの一つが、人々の「絆」の存在と
その大切さであった。提言のタイトルに「絆」の文字が入っているのもそのためだろう。

 さて、提言の中で特に印象的だったのは、災害などのさまざまな苦難に直面しながら、
なかなか将来に光が見えないまま、閉塞感が充満している今日的状況を乗り越えるための
理念として、人々の生存・生活・尊厳を守り抜くための「人間の安全保障」を提示してい
ることである。 そして、この「人間の安全保障」を確保・実現するために、どんな社会
や経済の仕組みを目指し、どんな暮らし方を目指せばよいのかが問われているとした上で、
約750年前に日蓮が著した「立正安国論」に流れる民衆の幸福と安全が第一≠ニの理
念を紹介し、とりわけ国家の存在理由や存在意義もそこにあるとしている。時代状況が今
日のそれと類似していたとはいえ、約750年も前の理念は、今なおみずみずしく貴重な教
訓になるものと思われる。

 また、人類共通の目標である「持続可能な未来」のために、原発に依存しない社会の創
造を提言していることも、まさしく時宜(じぎ)を得たものであり、印象深かった。エネ
ルギー政策における原発の位置付けについて、現在の人々の見解は多岐にわたっているが、
「人間の安全保障」や「持続可能な未来」といった明確な理念に基づいた政策転換を求め
る提言だけに説得力がある。中でも再生可能エネルギーの開発に他国と協力して取り組み、
途上国にも導入可能な技術革新の担い手に日本がなるべきだという提言は重要である。

 その他、特に世界平和の実現のために、核兵器廃絶に向けた具体的な行動計画までも含
めた対策を提言されていることに、池田会長の並々ならぬ熱意が感じられる。

 いずれにせよ、長年にわたって「平和と共生の地球社会」の建設を目指して、グローバ
ルな活動を精力的に主導している池田会長の内容の濃い数々の提案は、いずれも明確な理
念と深い人類愛に裏付けられたものであり説得力がある。 加えて今回の提言には、とり
わけ時宜を得たものが多く、さまざまな国難ともいえる苦難に直面してなお理念なく漂流
を続けている日本の政治に対しても極めて示唆に富んだものであり、政治に携わる人々に
もぜひ一読してもらいたいと思う。

 ひらつか・たかひこ 1939年、愛知県生まれ。島根大学教授などを歴任。現在、島根農
政研究会会長、島根県食育・食の安全推進協議会会長なども務める。

広島修道大学 城忠彰教授           

 30回目を迎えた今回の提言に接し、新聞で8ページに及ぶ内容に圧倒されるとともに、
その提案の一つ一つに精緻な検討が加えられており、具体的で説得力のある論調が展開さ
れていることに瞠目(どうもく)させられた。 これを手にした読者や市民のほとんどが、
この提言の趣旨や内容に共鳴、共感すると思われる。

 この提言の第1の特徴は、国際社会の最優先課題である「人間の安全保障」の確立に向
けた精神的基盤、いわば私たちに必要な心構えや理念のありようが鮮明にされていること
である。

 人間の安全保障は、生存の危機に加えて、災害や自然環境の悪化、失業までも射程に入
れるべきであり、「世界のどの地で起こる悲劇も看過しない」という世界市民としての自
覚や、「将来世代に負の遺産を断じて引き継がせない」という持続可能性に基づく責任感
が肝要となることが指摘されている。

 そして、その成否を握るのは、「互いの魂を触発し合う一対一の対話」を通じた「憂
(うれ)いの共有」から「誓いの共有」への昇華(しょうか)から生まれるエンパワーメ
ント(内発的な力の開花)であること、簡単に言えば、自他共の幸福を志向し、苦悩を分
かち合う努力が大切であることが強調されており、至言である。

 第2の特徴は、地球的課題を克服するための民衆のエンパワーメントを最大限に引き出
すためには、「人権文化の建設」といった将来を見据えた時代変革のビジョンが不可欠だ
と看破(かんぱ)されていることである。中でも目を引いたのは、女性への温かい眼差し
と、女性の力を活用することの重要性が織り込まれていることである。

 第3の特徴は、「核兵器禁止条約」の締結に向けた核軍縮・核廃絶へのロードマップ
(行程表)について、かなりの分量が割かれていることである。

 市民社会のイニシアチブによって、既に条約のモデル案や改定案が作成されており、列
国議会同盟をはじめ、平和市長会議や核戦争防止国際医師会議、最近では「国際平和拠点
ひろしま構想」などで条約の締結を求める運動が進んでいる。 国際法による核兵器の非
合法化を図り、核廃絶への手段とするというのが本条約の意義であるが、それを前提にし
たユニークな提言内容になっていることが、新鮮である。

 この条約を基礎とする「核兵器のない世界」の実現は、1997年の対人地雷禁止条約や、
2008年のクラスター爆弾禁止条約の成功事例ほど簡単でないことも事実であるが、世界的
な潮流は確実に迫ってきていることもまた事実である。

 以上が今回の提言を読んでの所感だが、今後の提言で、国際社会の権力構造の変革の必
要性にも論及されることを期待したい。個人的には、世界が目指すべきガバナンス(統治
のあり方)の究極の姿として、地域統合のモデルである欧州連合(EU)を地球規模に拡
大したような、国家の主権をできるだけ制限してグローバルな問題の解決にあたろうとす
る「世界連邦」の構想を支持するものであるが、こうした視座からの検討も必要となって
くると思われる。

 じょう・ただあきら 1948年、長崎県生まれ。九州国際大学教授、英国リバプール大学
客員教授などを経て、現職。共著に『軍縮問題入門』『なぜ核はなくならないのか』など
がある。

SGI提言にみる「誓いの共有」こそ
      前進への一歩を踏み出す鍵   全文はこちら
 

 山形 孝夫(やまがた・たかお)  
1932年、仙台市生まれ。東北大学文学部宗教学・宗教史学科卒。同大学院博士課程満期退学。専攻は宗教人類学。宮城学院女子大学元学長、名誉教授。
著書に『レバノンの白い山』
(未来社)、『死者と聖者のラスト・サパー』(朝日新聞社)他がある。

  高名な宗教人類学者であり、行動する宗教者としても知られる山形孝夫氏。
    震災後一年を経て、これからの東北復興に求められる宗教者の役割について話を聞いた。

 全体をとおして、SGI会長の平和思想には宗教的普遍性を感じます。宗教本来の役割である
民族性とか国民性といった「単一帰属
性」からの解放を感じるのです。

がれきは墓標:「慰霊」「防災」「憩い」の復興記念公園を

民衆の苦悩の「共有」から生まれてきた創価学会に期待



「生命の尊厳」という視座に貫かれたSGI提言

安田喜憲(やすだ・よしのり)  全文はこちら

1946年、三重県生まれ。72年、東北大学大学院理学研究科修士課程修了後、広島大学総合科学科助手をへて、94年から国際日本文化研究センター教授。専攻は地理学・環境考古学。環境考古学という新たな分野を、日本で最初に確立。
主な著書に、『文明の環境史観』
(中央公論新社)『生命文明の世紀へ』(第三文明社)『山は市場原理主義と闘っている』(東洋経済新報社)など多数。


「人生史の断絶」に直面して弱者の立場から見える真実

同時性への認識

いまこそ「生命文明」の構築を