第3回市民国連フォーラム 
第4分科会【
国連と教育・文化】

   2008年12月23日午後1:30-5:00

 早稲田大学14号館  402教室 

 
座長:一色宏 発題者:大月宗明、青木宏之 
            



≪まず琴の合奏から開始≫
(一色氏) 
起こった問題を解決することは大切であるが、問題が起こらないようにすることがもっと大切である。
芸術は宗教の母であるという言葉がありますが、芸術を通してやさしい心を作りたいと考えています。

≪六段演奏≫

(大月氏)
文化をまとめて、ためて、さらに醸造させる国が日本である。伝統は大切なものだが、その伝統も
時代とともに変化するものである。逆に昔のままで変化しなければ伝統も残ることができない。
日本の文化をはっきりと理解し捕えている人はどの位いるのか疑問だ。日本の文化を現在に生か
してほしいも思っている。
一期一会 − 一生に一度という考え方が大切だと思う。自分とは何か、存在とは何か。
ビッグバンが存在の始まりかもしれないが、宇宙が生まれる前から何かがあった。
虚・実という考え方がある。
実とはハッキリ分かる物のことだが、虚というのは分からない物のことだ。この虚とか空という
考え方が大切だと思う。
世界の平和のためには「何のために生きるか」を認識させることが必要だ。「今」という物のとら
え方、今やるべき事は何かを考えなければならない。この考えの根本に一期一会がある。
虚の真の理解が悟りというものではないか。

(青木氏)  
   

自分は演劇活動の体作りのために武道を行った。古い武道を現代人のために体操として作り直し世界
に発信したいと思うようになった。
速さ、強さを追求するうちに宇宙の力の根源まで達しなければならないと思うようになった。新体動
という形態を作り上げ、世界を回る間にフィルピンで考えられないような貧しさを見た。ゴミの山の
上で子供たちが遊んでいるのを見た。その子供たちを世話している神父さんから「フィルピンで今一番
欲しいものは教育だ」という言葉を聞いて決心し、日ピ平和協会を設立、教育会館を建設した。フィリ
ピンの農村はヤシ農園で、真っ暗なジャングルの中にあった。中国の雲南省に招かれて、学校を3つ
建設した。ダライラマの難民のためにも学校を建設した。資金難から政府の援助を受けたいと思って
いたが,ある日政府の援助を断って活動するマザーテレサが「貧しい人を抱きかかえてあげることが大切」
と言っているのを聞いて自分の活動の意味を再確認した。

≪音楽と武道演舞のコラボレーション≫


  (実演者も観客もその不思議な雰囲気にしばし陶然とする)

(会場から:廣瀬春孝)
「日本熟年会議」という組織を作って活動している。今の国連には何か足りないものがある。
西欧文化には不安があり、日本の文化が世界に影響を与えるべきだと考える。100万人が集まれば、
世界に大きな影響を与えることができる。
いま日本では森林と農業が疲弊しているが、森林組合と遊休農地を生かすことを考えて活動中。
熟年の100万人がこうした活動に参加してくれれば日本も世界も大いに変わることができると思っている。

(大月氏)   
間違えないようにという教育や考え方は良くない。学んだことは積極的に忘れるべきだ。忘れることは
人間の最大の能力だと思う。その結果本当に大切なことだけが残る。新体動も動きながらバランスを
失わないのが良い。だから健康にも良い。
虚無について日本は考えてきたが、その中にも計算があった。生命について生かされているという考え
方が大切だ。
ハンディキャップにもメリットがある。松竹梅はめでたいものと言われているが、どんなものか。松は
年輪を重ね、冬も緑を失わず変わらない。竹の節は冬の厳しさにより生まれ、力となる。今の一瞬の犠牲を
大切にしなければならない。梅の花は寒くさびしく、苦しい時に咲いて希望を世間に与える。このように
松竹梅は年を越して丈夫になることを表している。いつに変わらぬ豆腐の味という言葉もある。
物事には何でも二面性がある。
イベント成功のための三つのポイントというものがある。
・意外性 相手のイメージの転換
・感動性 分かり易さが必要 ex) 幼稚園の学芸会、稚児行列 無条件に感動できる。
・独創性

≪演奏≫

(大月氏)
教育は心を豊かにしてこそより良い教育ができる。海外の日本人を応援するためにも日本の音楽を
持って行くことは役に立つ。しかし国により受け止め方が違うことには常に注意が必要。芸術は
宗教の花だという。
一神教による自己中心性は客観的自己分析能力を生み出す。今の世界的行き詰まりを打開するためにも
「人間の感性を刺激する競争」を提言したい。

(青木氏))
  

日本は無の世界だ。多くのものが入って来て合成された。
道    清浄
万葉    わび
古今    雅
東山・能  きよらかさ
江戸    粋
日光/金閣 バサラ

れらは日本人の根本的思想で、知らず知らずに保有している感性だ。
瞑想により日本精神に帰ることができる。日本の仏教も禅宗、止観宗、真言宗(マントラ)など
根本は瞑想である。今の日本にはこの瞑想が必要だ。


(大月氏)
外国に行けば常に何があるか分からない。その時にできる最善を心がけなければいけない。
できないという言い訳のできない状態で事に当たらなければならない。

≪夢二慕情による演奏≫ 初見の楽譜による合奏。この合奏を持って分科会としての会合を終了